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Interview:Copyright/Reserved ,Extensive Publishing


Copyright Reserved Design Studio, Photo Courtesy of Machine 56 and Reza Adharis
Copyright Reserved Design Studio, Photo Courtesy of Machine 56 and Reza Adharis


_初めに自己紹介をお願いします。


私たちはインドネシアのバンドンを拠点に活動する”Copyright/Reserved”です。私たちは自分たちのことを "実験的デザインスタジオ "と呼んでいます。なぜなら、実験が私たちのプロダクト制作やクライアントとのコラボレーションに対するアプローチ方法の基礎にあるからです。私たち2人(HilmyとPutri)はもともとファインアートのバックグラウンドを持っています。なので、この "ビジネス "をすることを最初に構想したとき、"スタジオ "という形式が私たちのアイデンティティを最もよく表していました。といっても、それは当初はごく自然なプロセスでのことでした。最初は美しい理由にはあまりこだわらず、代わりに、私たちは今日までの過程で、私たちと同じ理想を共有するチームと出会い(そして何人かはそのチームとも別れましたが)、その過程で自分たちのことを発見していきました。私たちは彼ら(チーム)やクライアントから多くのことを学びましたし、その逆もまたありました。この6年間で、私たちのアイデアや創造は、ディスカッションを重ね、創造性を発揮する自由を与えられたときに最も上手く機能することに気付くことができました。幸いなことに、私たちが好きなように自由にやらせてくれるクライアントが何社かあり、これまでに美しいものを作ることができました。


私たちが自身の出版ライン(Extensive Publishing)を立ち上げた理由は、クライアントから依頼された仕事を超えて、新しいクリエイティブな道を探求したい、形式的なビジョンの限界を超えて羽ばたきたいという願望からでした。この2年間で、私たちはリソグラフ印刷機を手に入れ、30人以上の共同制作者とコラボレーションし、自主制作の本を6冊作り、10回の国際的なブックフェアに参加してきました。


当初は、スタジオのアウトプットの一環として、ZINEやその他の印刷物を制作していました。昼間は商業的なプロジェクトに追われることが多いのですが、夜には創造性を個人的な活動に注ぎ込みます。それはまさに仕事を通して「喚き散らし」、その忙しい喧騒の中で本当に好きなものを生み出しているんです。私たちはスタジオの全員にZINEを作ることを勧めており、それはやりがいがあり、力を与えてくれます。これからもこの習慣は変わりません。私たちの本やZINEの数々は、私たちのチームによって制作が続けられ、スタジオのアウトプットとしての役割を果たしていくと同時に、誰もが自由に自己表現できる安全な場にもなっています。


魔法少女zine
魔法少女zine

私たちはコラボレーションに情熱を注ぎ、クリエイティブで有機的な環境で成長しています。私たちは、アーティスト、ミュージシャン、コレクティブなど、具体的な作品の制作や、プロジェクトの出版に関するサポートを必要とするすべての人々を歓迎します。私たちの施設は、誰もが訪れ、アイデアについて話し合うことができるように開かれています。私たちが尊敬する人たちや、私たちにアプローチしてくる人たちを招待し、一緒に可能性を探ります。私たちは、正式なキュレーション・プロセスに従わないため、個人的な好みに基づいてプロジェクトを選んでいます。私たちは、誠実で、芸術的で、情熱的で、よく練られた作品を重視します。私たちは、長年の献身的な努力が作品に反映されることを称え、さまざまな創造的分野をひとつのプロジェクトに融合させるという挑戦を楽しんでいます。コラボレーションの精神は私たちの原動力であり、私たちが世に送り出す新しい本やZINEに私たちはいつも興奮しています。


長くなりましたが、私たちが心からもっとより知りたいと思っているのは、やっぱり人々のことなんです!


_丁寧に答えていただきありがとうございます。共同制作をすることで、新たなクリエイティブな道を探求しているとのこと、とても興味深いです!

あなたたちがコラボレーションしてきた人たちとの作品については、後ほど詳しくお聞きしたいのですが、その前に、あなたたちのファインアートにバックグラウンドを持っているというお話を、もう少し詳しくお聞きしてもいいですか?あなたたちは”Copyright/Reserved”を設立する前は具体的にどのような作品を制作をされてきたのでしょうか?そして、あなたたち二人は、今も個人的な作品などの制作を続けているのでしょうか?


以前、私(Putri)とHilmyはそれぞれ別のアート作品をつくることに専念していました。Hilmyは主に絵画やオブジェを、私は写真集やステンドグラスの作品を制作していました。


現在、私たちは作品を作ることを一旦休止しています(最後に何かを作ったのは2021年か2022年だったと思います)が、来年からまた再開する予定です。/近いうちにまた作品を探求していきたいと思います。


【Hilmy Works】

Exessive Yet Overwhelming Methods to Present Art Object_150 cmx120cmx50cm_Crate box, Trolley wheel, oil & acrylic on canvas, printed pvc 2019-Photo by Hilmy P Soepadmo
Exessive Yet Overwhelming Methods to Present Art Object_150 cmx120cmx50cm_Crate box, Trolley wheel, oil & acrylic on canvas, printed pvc 2019-Photo by Hilmy P Soepadmo
It’s Neither Artwork, Nor Commodification Either Way I’m Fine - Printed plexiglass, oil on canvas, foam 102 cm x 62 cm x 6 cm (total size) 2017- photo Hilmy P Soepadmo
It’s Neither Artwork, Nor Commodification Either Way I’m Fine - Printed plexiglass, oil on canvas, foam 102 cm x 62 cm x 6 cm (total size) 2017- photo Hilmy P Soepadmo
Hilmy P Soepadmo_Compositing
Hilmy P Soepadmo_Compositing
Hilmy P. Soepadmo_Compressed Object of Commodification #1_oil on canvas, PVC, perspex_111 cm x 93 cm x 15 cm_2019 -Photo by Bale Project
Hilmy P. Soepadmo_Compressed Object of Commodification #1_oil on canvas, PVC, perspex_111 cm x 93 cm x 15 cm_2019 -Photo by Bale Project

【Putri Works】




God, may i plead a thing Stained Glass 80 x130 cm 2022 Photo Courtesy of Selasar Soenaryo
God, may i plead a thing Stained Glass 80 x130 cm 2022 Photo Courtesy of Selasar Soenaryo

_なるほど。あなたたち二人が、それぞれにアーティストとして作品を作ってきたからこそ、今の”Copyright/Reserved”の作品は、どれもとてもクオリティが高く、そして独創的な表現になっているんですね。お二人の作品を拝見させていただきました。あなたたち2人は、それぞれ別の表現でありながら、お二人とも本当にとてもカッコイイ作品を作られていますね。

そして、あなた達がコラボレーションしてきた人々も、とても個性豊かな面々のように思います。パンクバンド”DONGKER”、グラフィティアーティスト”HIKIGUYS”、デジタル書体をデザインする”Tokotype”、デザインスタジオ”NOUV°”。彼らとは、どのようにしてコラボレーションをしていったのでしょうか?


私たちがコラボレーションしている人たちは、ほとんどがインドネシアのバンドンで友人や共通のコミュニティを通じて知り合った人たちです。バンドンには結束力の強いクリエイティブなコミュニティがあり、誰もがコラボレーションに前向きなので、将来のプロジェクトのアイデアを話し合ったり、つながったりすることが容易にできます。正直、これらのプロジェクトのいくつかは、誰が誰に最初に声をかけたのか覚えていないのがほとんど…-それはいつも双方向の関係なんです!


私たちが、多様なバックグラウンドを持つ協力者とともに仕事をする理由について、少しお話ししたいと思います。Copyright/Reservedを始めたとき、私たちは水を得た魚のように感じていました。ファインアートを出てクリエイティブの世界に入ろうとした私たちは、それなりの経験を積んでいました。しかし、私たちの本来の目的は、企業の仕事の一部ではなく、自分たちの情熱と才能で生きていくことでした。私たちは、戦わずして社会のシステムに屈したくはなかったんです。そして今、私たちを心から信頼してくれるクライアントと仕事をするデザインスタジオを築くことができました。振り返ってみると、もし早い段階でもっと多くの機会やプラットフォーム、協力者を得ていたら、私たちはどれだけ前進できただろうかとよく考えたりします。


インドネシアでの生活は、ハードモードをプレイしているような気分になることがよくあります。高い税金、クリエイターをしばしば見過ごす腐敗したシステム、そして常に存在する海賊版の脅威との間で、常に戦っているような気分です。Copyright/Reserved・ Extensive Publishingは、同じような困難に直面している人たちを支援したいという思いから生まれました。


私たちは、努力が実を結んだ作品が世に送り出され、新しい才能が現れるのを見ることが大好きです。才能と情熱に溢れた友人たちが、生活費を稼ぐためだけに会社勤めを余儀なくされることには心が痛みます。私たちは、私たちの仕事を通じて、創造性を発揮できる機会と安心できる場を提供することを目指しています。私たちが出版する本は多様に見えるかもしれませんが、それは私たちがどのような存在であるかを反映しています。つまり、クリエイティブなコミュニティをサポートし、彼らの素晴らしい多彩な作品を世に広めていき、そして利益を生みだしていく集団としての存在です。


_とても共感します。私のいる日本もここ数年、とても不景気です。新型コロナの影響により大きく景気が落ち込んで以来、深刻な状況が続いています。そして、日本の人口は減少しているにも関わらず、国の税収は増えています。それ以外にも色々な要因があるとは思いますが、現在の日本では国民に対する負担がとても大きいように思います。あなたたちの拠点のあるインドネシアはどうでしょうか?また、バンドンでは今どのような問題に直面していますか?もう少し詳しく、あなたたちと、あなた達の友人たちが置かれている現状をお聞きしたいです。


私たちは首都ジャカルタから車で3〜4時間のインドネシアのバンドンに拠点を置いています。バンドンは大学が多いことから、よく「学生都市」と呼ばれることがあります。もう一つ、「クリエイティブ・シティ」というラベルもありますが、これは政府が観光客誘致のためにつけたありふれた造語で、私たちにとってはジョークのようなものです。しかし、この言葉には真実も含まれています。バンドンには活気あるクリエイティブ・シーンがあり、特にスタジオはチーム主導であれ個人主導であれ、活気に満ちています。素晴らしいのはその開放的な雰囲気であり、人々は普段から会話をしたり、コラボレーションをしたり、ただ一緒に過ごしたりすることに積極的です。アーティストやクリエイターにとって、この有機的な環境は歓迎すべきものです。素晴らしい作品を作り、その意図が本物であれば、ここで自分の足場を築くのは比較的簡単なことだと思います。


とはいえ、大きな課題もあります。その多くは制度や政府の問題です。最低賃金は非常に低く、税金は来年12%に引き上げられる予定です。収入と支出の間には歴然とした格差があり、私たちの周囲にいる多くの人は生活のために2つ、3つ、あるいは4つの仕事をこなさなければなりません。大企業でさえ苦境に立たされており、従業員の解雇はますます一般的になってきています。このような経済的圧力は、クリエイティブ・エコシステムにも顕著な影響を与えています。デザイン、アート、そしてそれらに類するアウトプットは、そのオリジナリティが評価されるのではなく、使い捨てとみなされることが多くあります。デザイン業界を例に挙げると、多くの人がCanvaのようなツールやフリーソフトに頼り、基礎的なスキルを持たずに作品を制作し、信じられないような低料金でサービスを提供しています。これはクライアントに金銭的な利益をもたらす一方で、プロフェッショナルなデザインの価値を下げ、オリジナリティを阻害することになります。Pinterestのボードや既存のデザインをコピーすることが主流になっているのは、その方が迅速で、クライアントもコストが安く済むため、それを気にしないことが多くなっています。指をさして非難するつもりはありませんが、優れたブランディングやデザインは意図的でありユニークであるべきだと私は信じています。残念なことに、現在の環境はクリエイターが成功するのを難しくしてしまっています。政府が最低賃金を引き上げなかったことで、クリエイティブな仕事が過小評価され、プロフェッショナルが正当な報酬を得ることが難しくなるというサイクルが強化されてしまいました。健全でクリエイティブな環境とは、人々が模倣に頼ることなく、独創的な作品を生み出し、他者から刺激を受けることができるような環境を指すべきです。私たちは、意義のある本物の作品を作り、それに対して正当な報酬を得たいと願っていますが、この2つの目標が一致することはほとんどありません。イライラしますし、正直なところ、他の国に行って頑張ってみたいと夢見ることもよくあります(笑)。



_ここまで、あなたのお話をお聞きして、私は人類学者でアナキストのデヴィッド・グレーバーの著書にあった一文を連想しました。その文章は下記のとおりです。


「奴隷には家族も親族も共同体もなく、他の人間と約束をなすことも継続的なつながりを築くこともできない。英語の”free”という言葉が、”friend”という語源に由来しているのはこのためである。奴隷は、他者と約束をなすことができなかったがゆえに、友をもつことができなかった。というのも、かれらはだれかの権力のもとに完全に服従しており、その唯一の義務とは主人の命令を正確に遂行することのみだったからである。」


この文章をすこし強引に解釈すると、”友人をもつことは、自由であること”と意味を取ることができます。私は、あなた達がコラボレーションしていくことで、より”自由”を得ているように感じました。そこでお聞きしたいのですが、コラボレーションすることで、具体的にどのような効果が発生していると思いますか?また、コラボレーションをすることで、あなたたちが個人的に得ているものは何でしょうか?それらは、今後のあなたたちの作品に影響を与えていると思いますか?


コラボレーションを通して、私たちはさまざまな視点やその背後にある長年の努力に触れることができ、それは私たちに力を与え、クリエイティブの旅を豊かにしてくれると信じています。私たちとコラボレートする人たちのほとんどは、前向きな姿勢で芸術やクリエイティブな分野でのキャリアに取り組んでいます。彼らは責務からではなく、自分自身、環境、そして未来への純粋な思いから、心を込めて創作を行なっています。そうしてよく練り上げられた作品は、多くの場合、それ自体が物語を語り、ほとんど説明を必要としません。個人的には、コラボレーションをすることで新たな発見やストーリーが生まれると感じています。一緒に新しい作品を創ることは、双方がその経験から得るものが多くあり、価値のあるプロセスです。それはまさに双方にとってメリットがあることなのです。


_鑑賞者は、あなたたちがおこなっているコラボレーションの作品を鑑賞し、体験することで、そこから力をもらえるように感じます。そして、あなたたちが生み出した新たな発見やストーリーは、鑑賞者を新たな旅に連れて行ってくれます。あなたたちの作品で、私は気になっていることがあります。それは”現代社会のシステムと戦っている”というメッセージを感じることです。例えば、植民地時代の写真を用いて表現をした”Course Kit vol. 1 – Theo Frids Edition Workshop set”や、種差別を題材としたTokotypeとのコラボレート作品”Not A Shooting Target Practice”。それに、パンクバンドの”DONGKER”やグラフィティ・アーティスト の‘HIKIGUYS’、彼らもまた社会のシステムと戦っているアーティストだと思います。そして何よりそれは、ここまでお聞きしたあなたの言葉からも感じることができました。現代社会のシステムと向き合うことは、あなたたちの表現と切り離せないもののように感じました。


そして、あなたたちはそれらの作品を持って、世界各地の国際的なブックフェアに参加されていますね。各地での反応はどうでしょうか?また、あなたたちは各地で何を感じていますか?



とてもいい視点ですね ! これまで私は、私自身や私たちのスタジオの仕事のやり方について、そのように考えたことはありませんでした。でも振り返ってみると、たしかにそう思います。そう、私たちが言おうとしているのは、実存主義からの言葉を借りれば、世界は根本的に不条理だということです。この不条理を認識することは、恐怖や絶望を否定することではありません。それらに正面から向き合う勇気を持つことなのです。




Framer Framed Anonim by Theo Frids Marulitua Hutabarat – foto Maarten Nauw
Framer Framed Anonim by Theo Frids Marulitua Hutabarat – foto Maarten Nauw

Tokotype / Not A Shooting Target Practice
Tokotype / Not A Shooting Target Practice

恐怖は個人的なものであれ、政治的なものであれ、社会的なものであれ、何でも起こり得ます。それこそが世界を不合理なものにしているのです。あなたと私はともに、自国の文脈における『不合理さ』との出会いを共有してきました。それもまた、恐怖を生み出し、圧倒されるような静かな混沌としたものを感じさせます。しかし、私たちにとっては、その不合理に立ち向かい、それに飲み込まれることなく恐怖を受け入れることが、私たちの作品に意味を与えています。それは一種の反抗であり、不条理に対するささやかな反逆なのです。



端的に言えば、コラボレーションや Copyright/Reserved の作品は常にシンプルです。それは、『ただ生き残るための心からの叫び』なんです。



Dongker / A world so rotten it became hostile and uninhabitable—a place they no longer want to live in. Or destroy.Or change.Or all of it at the same time.
Dongker / A world so rotten it became hostile and uninhabitable—a place they no longer want to live in. Or destroy.Or change.Or all of it at the same time.

そして、あなたの質問にもお答えします・・・、

ブックフェアは、場所によって反応が異なるという特徴があります。アートブックフェアでの過去の経験から、私たちのコミュニティや鑑賞者には次のような人たちが多いことに気づきました。


1、デザイン好きの方々:デザインスタジオとしての私たちのルーツを反映し、彼らは私たちの編集の視点に惹かれるようです。

2、学生: 私たちの視覚的に魅力的で親しみやすいブック・コレクションは、アーリーアダプターや学生の読者にも好評のようです。

3、学際的な人々: 私たちの有機的で多様なアプローチは、分野を超えてさまざまな関心を持つ人々を自然と惹きつけているようです。


興味深かったのは、これらのイベントに参加するまでは、私たちのニッチな読者が誰なのか、あるいは私たちの仲間が誰なのか、あまり考えていませんでした。しかし、新しい人々と出会い、そのつながりを振り返っていくうちに、私たちは、私たち自身をより深く理解できるようになりました。そしてそれはとても特別なことです(そして正直なところ、それを実感するのは少し楽しいことです!)。国や都市を問わず、私たちが参加するブックフェアはどれも私たちの心の中で特別な位置を占めています。不思議なことですが、いつも故郷のように感じられるのは心地よいことです。本というのは本当に素晴らしいメディアで、見知らぬ人同士をつなぎ、変わり続ける世界の中でシェルターのような感覚を与えてくれます。ブックフェアから帰るたびに、世界がいかに希望に満ちているかを思い知らされます。より多くの知識が共有され、より多くの人々が本を読みます。私たちは美しい未来に向かって進んでいるような気がします。そして、このような意義深いことに参加できるのはとても嬉しいことです。


_ここまで、とても素晴らしい言葉の数々をお話していただきありがとうございます!私はあなたの言葉から勇気と力をもらい、そしてとても共感しています。

『ただ生き残るための心からの叫び』私はこの言葉に感動しました。あなた達は素晴らしいスタジオであり、真のアーティストだと私は思っています。

私もこれまで日本国内でのブックフェアに少しですが参加してきました。そして、あなたの言葉同様に、心の中で特別な位置を占めており、私も同様に故郷のような心地良さを感じています。この言葉について、もう少し詳しく掘り下げたいです。初めての場所でも、そのように感じるのはどうしてだと思いますか?


はっきりとは分かりませんが、ブックフェアに参加する人は自由な精神を持ち、オープンマインドな人が多いからではないでしょうか。意見を交換することを恐れず、心から人とつながることにオープンな人が多いんだと思います。これは単に、私たちはモノを売るためにそこにいるのだから、歓迎されなければならないということではなく(笑)、好奇心を共有しているということこそが重要なのだと思います。私たちは皆、お互いの作品について学びたいし、リスペクトしたいと思っています。新しい人々と出会い、新しい場所を経験することで、次の作品を作り始める前に知識やインスピレーションを得ることができます。私たちは、作品を作ったり、本を作ったり、集めたりすることに多大な労力を費やしています。このようなイベントは、私たちに誇りを持って作品を発表する機会を与えてくれています。

ブックフェアが特別なのは、皆が互いに尊敬と好奇心を共有し、見知らぬ人同士でもフレンドリーな雰囲気になるところだと思います。


_それでは、最後の質問です。これから作品を作りたいと思っている人、これから表現をしていきたいと思っている人、これからデザインをしていきたいと思っている人に何かアドバイスかメッセージをいただけますか?


私は、最も重要でやりがいのあることのひとつは、創作することとは別に、待つことだと考えています。この業界で持続的に影響を与え続けるためには、忍耐力と首尾一貫した姿勢が重要です。何年にもわたって自分の芸術と創造性を維持し続けることです。たとえ他の人が理解できなくても、自分のビジョンに自信を持ちましょう。鍛錬を怠らず、誰も見ていないところでも常にベストを尽くしてください。初めは孤独に感じる旅かもしれませんが、やがて同じ価値観を持つ人たちと出会い、すべてが報われるはずです。

コラボレーションもまた、創造的な表現を育む素晴らしい方法のひとつです。他者と協力し、つながりを築くことにオープンであることは必要不可欠です。創造性は、有機的で、協力的で、健全なエコシステムを育むことに集中しているときに成長するものです。探求と交流に心を開いていれば、きっとあなたの道が見つかるはずです。


_ありがとうございました。


 

Copyright/Reserved ,Extensive Publishing


「Extensive Publishing」は、インドネシアのバンドンを拠点とする実験的なデザインスタジオであるCopyright/Reserved主導のもと、書籍、ZINE、オブジェに焦点を当て、新たなクリエイティブな道を探求する取り組みとして発足。この出版ラインでは、クライアント主体となるプロジェクトの枠を超え、より広範なクリエイティブの可能性を追求し、強力な表現媒体としての「本」や「オブジェ」のプレゼンテーションやレイアウトを再構築したいという思いから誕生。


「The Copyright/ Reserved」の多岐にわたるオブジェと出版が生まれた理由、それは『最もインスピレーションを与えてくれるものが生まれる時というのは、異なった分野の人々が衝突し、実験を行ったとき、その結果は驚異的なものになり得るということ』からでした。それは何も意味しないかもしれないし、すべてを意味するかもしれない。啓蒙的かもしれないし、つまらないものかもしれないし、古臭いものかもしれないし、重要なものかもしれない。誰も評価しないのに、なぜ私たちは評価しなければならないのか?私たちは、読者へ緊張感、感性、嗜好、感情をはっきりと伝えられる本を通して、自らの情熱を燃やすことができる幸せな人々がいることを知っています。そして、彼らは大衆には迎合しない。


彼らは幸せをもつ人たちです。


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