
Support NOTO 途中のご報告
はじめに、【Support NOTO-令和6年能登半島地震 チャリティー-】にご賛同いただいた皆様、アーティストの方々、励ましの言葉をかけてくださった方々、ご関心を寄せてくださった多くの方々、本当にありがとうございます。
6/17(地震発生から169日)に、皆さまから集まった支援を持って能登に行ってきました。寄付先は、現在、珠洲市狼煙を拠点に各地をまわり活動している”いかなてて”さん、そして被災地で活動する自治体など、私たち自身も信頼をおける方にお渡しし、お任せしました。そして、日帰りですが、私たちも実際に現地を見てまわりました。最初に伺ったのは、妻が1月からボランティアで関わった輪島市の黒島地区へ。海岸の隆起、建物の倒壊…169日経った今でも、地震の被害が昨日のことのように、そのまま残されていました。SNSでの写真やテレビのニュースでは見ていたものの、360度どこを見渡しても地震の痕跡を感じる状況は、まさにここが”現場”だというという恐ろしさを感じました。
道中も、つぎはぎだらけの道路や亀裂、土砂崩れなどで、悪路が続いており、揺れるのに注意して進みました。そして、珠洲市に入ると、状況はかなり深刻でした。倒壊した家屋や津波の被害、そのすぐそばで、今も人々が営みを続けている姿がありました。
ここからが本題です。今回ここで書いているのは、第一には寄付いただいた方々へのご報告。そしてもうひとつ、私たちが実際に感じたことを共有したかったからです。もちろん、先述のとおり、現地の被害はかなり深刻でした。いまだに瓦礫の撤去などが進んでおらず、間もなく震災から半年になろうとしてますが、当時のままの状況がそこにありました。ただ、そこで今まさに前を向いて生活をしている方々がたくさんいました。能登へ行く前から、「能登にぜひ来てください。」という声を何度も頂いていました。私たちは今、被災地に行ったらご迷惑なんじゃないかと何度も思いました。ですが、実際にお会いしてきた避難された方々からは”ぜひに””今に”とお声を頂いていました。そして、実際にお会いし、お話を聞き、体感してきました。
その時に一人の方から「今日はじめてココに来た方にとっては、とても深刻に見えると思う…。だけど、私たちにとっては昨日よりも良い未来がココにあるんです。」という言葉がとても印象的でした。昨日まで、片付けられていなかったガラスや瓦が、少し減っていたり、震災間もない頃は10時間かかった道も、今では3時間になっていたりと、一つずつ前に確実に進んでいる姿を目の当たりにしました。「今度、能登でイベントするんで、ぜひ遊びにきてくださいよ!」という元気な言葉。200世帯あった地区ですが、避難などで今では1/4の数の50世帯ほどになった地区の方からは「何百年と毎年、夏の決まった日付に開催してきた祭りを今年もやることを昨日みんなで決めたんです。神社も倒壊したりしてるけど、今いる皆でやれるだけはやろうと。だって毎年、決まった日付にやってきたから、その日に向けて戻って来る人がいるかもしれないから…」「祭りの夜の景色はすごく幻想的で良いから泊まりにおいで」という言葉。他にも「今日は時間があんまり無いかもしれないから、次来た時は一緒にゆっくり案内しますよ。〇〇さんっていう家があって、そこは…」と、皆さんが前を向いて私たちに会話をしてくれていました。以前、ボランティアに行ったお客さまから聞いたお話で「ボランティアに行ったはずなのに、すごくおもてなしされて、ごはんも沢山いただいてしまった…行った僕が元気をもらった…。」と話していたのと同じように、とても沢山のエネルギーを今回の能登で私たちも貰いました。
車を降りた途端に鼻に入り込む汐の匂い。海だけでなく山もあり自然豊かな(豊かすぎる!)景観。黒瓦が美しいまちなみ。海に沈む夕日。人々の気さくな笑顔。これらは今も変わらずそこにありました。そしてさらに、今だからこそ味わえる能登のエネルギッシュな魅力が溢れていました。
今回、訪れたことで私たちもまたひとつ体験することができました。この体験を活かして今後もsupport NOTOを続けていきたいと思います。嬉しいことに作品はどれも残り僅かとなってきました。ありがとうございます。ひとまずご報告までに。
2024年6月18日 CYRO 小嶌

2017/09/19

2024/06/17