Yuri Iwamoto x Misa Asanuma / Realfacestan
「リアルフェイスタン」は、Misa AsanumaとYuri Iwamotoが富山での約1ヶ月の滞在制作から生まれたアーティストブックです。
“リアルフェイスタンは、わたしたちの間でやりとりされる気軽な好奇心を煮詰めたシロップのような川がながれる空間。
並列、反復、反射、追走、消化。何度かパスを投げ合ってあらわれる、まろやかで曖昧な、でもこれでいいという確信めいたかたち。
暖かくてよく晴れたリアルフェイスタン。勝手なリアルフェイスタン。”
富山県での約1ヶ月の滞在制作の中、生活の繰り返しの中で浮上したさまざまなトピック。なぜそれが良いのか?どの辺が良いのか? 「いいね」の手触りを、お互いの手段(ガラス、スナップショット、ドローイングなど)を用いて消化していくことで、できるだけ正確に洗い出していく。
何気なく在る木、目新しい色彩、画面の向こうの華美なパフォーマンス、ホタルイカ、旅先で見た無意識の彫刻や壁画、台所、コップ。時に並走するように、時にパスを投げ合うようにして、その心地よさ、好奇心、畏怖のような感覚を、執拗なまでに追ってみた。
その「いいね」たちは、素材の制限や会話の流れの中で、角がけずられながら60%くらいの再現率で形になる。本書は、そのコントロールできないスペースを含めた2人の心象や感覚を、視覚的なスケッチブックとしてまとめている。
Asanumaの作品には、写真や陶芸、ドローイングなど媒体を超えて一貫して観賞者に届く「声」があります。それは人がそれぞれ持つ体温のように確かに存在し、空間に溶け込みながら軽やかに広がり、同時に強く見る者を惹き込みます。
一方でIwamotoのガラス表現には、まるで野生の生き物のような息づかいや躍動感を孕んでいます。愛らしさと生命力が同居する作品は、一つとして同じ風合いを持たず、また時が経過しても見ることに飽きることがありません。
「リアルフェイスタン」は、そんなふたりの異なる表現が交差し、対話し、まるで文通のようにラリーしながら生まれた結晶です。
本を覆うペーパーバッグには、作者によるドローイングが一点ずつ施されており、すべて異なる仕上がり。
限定100部。ページをめくり、開くごとに、ふたりの“声”が交差し響き合う空気感をぜひ体験してください。
Yuri Iwamoto
1993年埼玉県生まれ。
武蔵野美術大学在学中にアアルト大学(フィンランド)へ交換留学
現在は富山県を拠点に制作中
熱いガラスは生き物のように動いている。そのエネルギーや、柔らかな表情を留めるべく形を作っている。
Misa Asanuma
1994年生まれ。
2020年 エストニア国立芸術大学大学院現代芸術科修了(MFA)
自分や人がどのように世界を見ているか、観察することを通して考えている。写真、セラミック、ブックメイキング、ドローイングなどを用いて制作。
出版社 publisher:chiku chiku laboratory by edition.nord
刊行年 year:2023
ページ数 pages:64
サイズ size:298x 209mm
フォーマット format:Softcover,作者によるドローイングを伴うペーパーバッグに封入
言語 language:
付属品 attachment:
状態 condition:New
Limited edition of 100 copies
