Liu Silin (aka Celine Liu) / I, Celine Liu
「セリーヌ・リウ」とは一体何者なのか。時空・歴史・文化・政治・アイデンティティを縦横無尽に行き来し、、、写真とデジタルアートの境界を横断する「セリーヌ・リウ」。
中国 北京を拠点に活動するアーティストLiu Silin aka Celine Liu(リウ・シリン aka セリーヌ・リウ)の作品集です。
リウ・シリンは自らを通して、歴史、文化、政治、アイデンティティを横断する「セリーヌ・リウ」という人物を作り出しました。しかし「セリーヌ・リウ」は実際には誰でもないのだと作者は言います。「セリーヌ・リウ」には誰にでもなれるし、誰もが「セリーヌ・リウ」になりうるのです。イメージ過多の時代の中で、「セリーヌ・リウ」は、現実と虚構、日常と儀式的行事、プライベートとパブリック、個人と世界との境界を押し広げる媒体として自身を用い、「セリーヌ・リウ」というキャラクターをインターネットという仮想世界で流通・拡散させるとともに、"消費 "することを可能にしました。
"I'm everywhere "では、セレブの古い写真の中に「セリーヌ・リウ」としての自分をシームレスに挿入し、歴史の主要なシーンに出入りしたり、プライベートで彼ら(アインシュタインをはじめ、ピカソ、アンディ・ウォーホル、フリーダ・カーロ、ダイアナ妃などを含めた著名な人物)と会話を交わしたりして、「歴史を改ざん」していきます。
"Appme"では、自撮りアプリを使い、20世紀の様々な年代やアイデンティティの人々を描いた肖像画のテンプレートの中に自身を配置し、「セリーヌ・リウ」のハイブリッド自画像シリーズを制作しています。一方、彼女は自分自身のテンプレートをアプリに追加し、オーディエンスのパフォーマンスが「セリーヌ・リウ」のイメージと融合するキャラクターの集まりの中で、セリーヌ・リウをオーディエンスに引き渡します。
"Siren(サイレン)"シリーズでは、彼女と一緒に口パクでサイレンの音を真似てくれる通行人を、街や村を旅をしながら探しました。このシリーズに登場する彼らは、世界のさまざまな場所、さまざまなアイデンティティを持っている人々です。私たちが日常生活を送る中で、接することがあまりない人物たち。それと同時に私達は今の世の中において、彼らの存在なしでは生きていけません。彼らは重要な人々でもあるのです。
多くのアーティストが「アート」という側面を強調するのに対し、リウ・シリンは「アート」に注がれる関心を取り払い、「エリート主義」やアートそのものの限界を取り払い、アートと一般大衆の間のギャップを埋めようとしています。 "Siren(サイレン)"シリーズを手がける際に作者が語ったように、「誰もが発言する権利とその意識を持っているはず」なのです。
作者は、自ら構築したイメージを通して、歴史的な物語や文化的記憶を再検討し、マスメディアにおける文化的アイコンの強迫観念や商品文化の価値について考察しています。「イメージ崇拝」という伝統的な社会的慣習、これこそマスメディアと私たちのデジタル生活によって構築・形成されてきたものです。リウ・シリンの芸術活動において、「イメージ崇拝」という伝統的な社会的慣習を調査し、再解釈をします。
出版社 publisher:La Maison de Z
刊行年 year:2021
ページ数 pages:60("I'm everywhere," )
サイズ size:260x 130mm
フォーマット format:Multi-set of a booklet in 5-colour printing, a flip book, and a sound devise box
言語 language:
付属品 attachment:
状態 condition:New
Limited edition of 500 copies
