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Erin O'Keefe
GO BETWEEN
三次郎庵-床の間エキシビション-

5月8日(木)より、エリン・オキーフの新作ポスター《GO BETWEEN》を、三次郎庵の床の間にて展示いたします。会期中はどなたでもご覧いただけますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。三次郎庵は、本来「住のところ」として建てられた場所です。その佇まいが持つ生活の気配、ゆるやかな時間の流れのなかで、作品と向き合っていただければ幸いです。今回の展示に際しては、1906年、明治時代に岡倉天心(岡倉覚三)によって英語で著され、日本文化の美学を世界に伝えた名著『茶の本』より、一節を作品に添えてご紹介いたします。

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茶室の簡素清浄は禅院の競いからおこったものである。禅院は他の宗派のものと異なってただ僧の住所として作られている。その会堂は礼拝巡礼の場所ではなくて、禅修行者が会合して討論し黙想する道場である。その室は、中央の壁の出所、仏塩の後ろに禅宗の開祖菩提達磨の像か、または祖師迦葉と阿難陀をしたがえた釈迦牟尼の像があるのを除いてはなんの飾りもない。仏壇には、これら聖者の禅に対する貢献を記念して香華がささげてある。茶の湯の基をなしたものはほかではない、菩提達磨の像の前で同じ碗から次々に茶を喫むという禅僧たちの始めた儀式であったということはすでに述べたところである。が、さらにここに付言してよかろうと思われることは禅院の仏壇は、床の間-絵や花を置いて客を教化する日本間の上座-の原型であったということである。[茶の本_岡倉天心]より抜粋

日程:2025年05月08日~05月23日

OPEN:10:00-18:00

場所:三次郎庵(ワインと地酒 もりたか内)

住所:石川県小松市八幡町51
※会期中の営業はワインと地酒 もりたかと同様ですので、そちらをご確認ください。

オキーフの作品が立ち現れるこの空間。生活と美、思索と感性が交差する場としての三次郎庵にて、みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

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Erin O'Keefe

Artist Profile

エリン・オキーフはニューヨークを拠点に活動する写真家である。建築のバックグラウンドを持つ彼女は、空間認識を探求する作品制作に興味を抱いている。
オキーフの作品は、色彩豊かな幾何学的形状と、光と影を精巧に操作することで生み出される視覚的な遊びに満ちている。彼女が撮影するペイントされた木製の造形物は、カメラを通すことで、空間の奥行きやスケールが曖昧な、抽象的で不確かな世界へと再構成される。カメラが三次元の形を二次元のイメージへと変換する際に生じる歪みや視覚的な誤解ーこの必然的なズレこそが、彼女の作品の中心的なテーマである。建築的な視点と写真の特性を融合させながら、オキーフは知覚の限界に問いを投げかけ、観る者の知覚を揺さぶるユニークな視覚体験を生み出している。
 

彼女はこれまでに、『Built Work』(Jane & Jeremy, 2020)と 『How are Things』(Distanz, 2023)の2冊のアートブックを出版。近年では、ロンドンの Seventeen Gallery、ニューヨークの Sargent’s Daughters Gallery、ミラノの Ncontemporary Gallery で展覧会を開催している。

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