Archive: Guy Debord
公開資料:ギー・ドゥボール

今月末(2025年9月末日)をもって、思想や芸術の分野で数々の重要な出版を手掛けてきた現代思潮新社が廃業するとの知らせがありました。私にとってこのニュースは大きな喪失であり、同社から刊行された多くの書物に強い影響を受けてきたことを改めて思います。
なかでも、ギー・ドゥボールの著作の日本語版は、何度も読み返してきた大切な本です。
店頭や日々の会話のなかでも繰り返しお話ししているので、「またかよ…」と思われる方も多くいらっしゃるかもしれませんが、私はドゥボールの思想や著作、そしてとりわけ彼の「作品観の側面(ドゥボールの場合、芸術を日常生活・社会と切り離すような書き方をするべきではないので、“側面”と今回は記します)」から深く影響を受けてきました。
今回、現代思潮新社の廃業を機に(直接の接点や理由ではないのですが、私的な思いから)CYRO spaceにて、いつか実現したいと考えていた「ギー・ドゥボールの特集」を行います。
ドゥボール、そして彼らが結成していたシチュアシオニスト・インターナショナルは後に、芸術や映画、建築の分野をはじめ、日常生活にまで多大な影響を与えてきました。セックス・ピストルズの仕掛け人であるマルコム・マクラーレン、ヌーヴェルヴァーグの旗手にして、映画史に多大な影響を与えたジャン=リュック・ゴダール、日本では学生運動(全学連,1963)、さらには藤原ヒロシに至るまで──影響を受けた人物や潮流は数えきれません。
いつものことながらとても小さなスペースですので、会場では1~2人でいっぱいになってしまうかもしれません。アポイント制ではありませんが、どうしてもこの日のこの時間にというご希望があれば、お気軽にご連絡ください。静かに本や映画を前に過ごす時間を、ぜひ共有いただければ幸いです。
展示資料一部抜粋
・Guy Debord / 映画に反対して(上)(下) 【現代思潮新社,1999】
・Guy Debord / サドのための絶叫 Hurlements en faveur de Sade【1952】
・Guy Debord / われわれは夜に彷徨い歩こう、そしてすべてが火で焼き尽くされんことを In girum imus nocte et consumimur igni【1978】
・Guy Debord & Asger Jorn / Memorias【Homo faber,2024(1958年初版の復刻スペイン語版)】
・Asger Jorn / in Images, Words, and Forms【Scheidegger Und Spiess Ag Verlag,2014】
・Constant / New Babylon 【Hatje Cantz,2016】
・政治と芸術における状況主義者と新らしい運動形態 【シンポジウム’63討論資料No.1,1963】
2025/09/14(日)-09/30(火)
OPEN:9:00-16:00
CLOSE:毎週月曜・16(火)・23(火)・28(日)
場所:CYRO
住所:〒923-1245 石川県能美市辰口町220-3

Guy Debord
Artist Profile
フランスの映画作家、革命思想家(1931-1994)。
1952年に、ドゥボール最初の映画作品『サドのための絶叫 Hurlements en faveur de Sade』を発表。1957年よりシチュアシオニスト・インターナショナル(SI)を結成。1967年に『スペクタクルの社会』を刊行し、1968年「五月革命」の先駆者と目される。彼の活動は、映画制作、執筆にとどまらず、既存の広告、地図、小説、コミック雑誌の「転用」のみで成り立つ画文集(代表作:Mémoires)など、境界を横断したさまざまな芸術表現に及ぶ。1972年のSI解散後は、イタリア・スペインの革命運動と関わりつつ映画製作・著作活動を行うが、病を得て自殺。
